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導入例

授業におけるグローバル教育の実践
―東京大学教育学部附属中等教育学校 岡野 友美 先生

2016年6月25日に開催された「ICT教材を活用したワークショップ 高等学校・中高一貫校 英語教師のための英語教育セミナー」(カシオ計算機株式会社、株式会社朝日出版社)でのご講演を元に一部を掲載しております。

●「高校二年生の学校設定科目で活用」
私はそんなに先端機器に詳しくありませんので、機械に詳しくない人がわりと個人でできる授業の中のグローバル教育の実践ということでお話をさせていただければと思います。
実践した授業の概要ですけれども、高校二年生の学校設定科目で、Extensive Englishという授業で実践しました。週一、2時間続きの授業です。毎時間、授業のはじめの20分程度をCNN教材を軸とした学習の時間としてきました。基本的にオールEnglishですけれど、生徒のレベルは3級から準1級ぐらいまでで、平均的には準2というデータが出ている生徒たちです。これは学校設定科目ですけれど、普通の授業の中でもちょっと時間を短縮したり、隔週で実施したりというのは十分可能だと思っています。
使用教室はcall教室ですが、改修されまして、今はDeep Active Learning教室という教室に変わっています。プラスαとして、私は実際に社会や世界とつながった英語学習というのをテーマにしていて、英語をネイティブの人と話すのを想像してみようとかってよく言われますが、想像ではなくて実際につながったり話してみようということで、そのつながりをちょっと入れてみました。

●「アクティブラーニング・協働学習の要素」
アクティブラーニングの要素を入れたというのは、自分の興味関心にそっていろいろ自分で調べてまとめて発信するというところまで心がけたということです。協働学習の要素を取り入れたというのは、むずかしい課題があるとき、たとえばすごくむずかしかったのは、プリンストン大学から大学生が来てくれて、その人たちとディスカッションをしたんですけれど、彼らがアジアについていろいろ研究している人たちで、村上春樹の文学作品の中に見る世界観についてディスカッションしたいという要望があったり、南京大虐殺について日本人の高校生に日本人はどう思っているかと聞いても、生徒は南京大虐殺ってなんだったっけ?という感じで、天安門広場とどうのこうのとか、いろいろごちゃごちゃになっていて、そういうむずかしい課題があるときは班で活動させたりしました。高大連携というのは、大学の先生に随時見学していただいて、アドバイスやプリンストン大学の人を紹介してもらったり、そういうつながりをいただきました。シチズンシップ教育というのは、市民性という流行りの言葉ではありますが、日本人として地球人として何ができるのか、何が起きているのかを知って考えて、なんらかの形で発信するということです。効果測定についてはのちほどお話をさせていただきたいと思います。

●「授業の流れ」
模擬授業として、こんな形でやっていますというのを実際に体験していただこうかと思います。高校生になったと想像していただいて、実際にやっていただくことでこういうとこがちょっとやりづらいなとかあると思いますので、もしご自分の学校でやられる際はやりづらいところを先生のほうで訂正して、いろいろやっていただければと思います。

1. Natural speedのListeningで大意把握
2. Q&Aに答える
3. Scriptを見ながら単語と内容確認
4. Repeat after(ゆっくり)
5. Parallel reading(ゆっくり→ナチュラル)
6. Shadowing(ナチュラル)
7. 同時和訳
8. 内容のまとめWriting
9. ペアでの意見交換 Speaking
10. 意見のまとめWriting

1.Natural speedのListeningで大意把握
OK, let’s get to start now. Everybody, please listen to this script, please listen to the report, catch the main idea of this report, OK? Please give me some keywords after hearing up. といって、ちょっとナチュラルスピードで聞いてみます。
Very fast! Was it difficult? All right. What keyword did you catch? と言いながら、聞こえた単語を生徒に聞いてみます。
生徒に聞くと、What keyword did you get? ~○○君と聞かないでも、happiest countryとか、ぽろぽろと聞こえたキーワードや単語をわりと言ってくれるので、それを板書します。All right, what other keywords did you get? と言うと、いくつかキーワードが出るんですけれど、たとえばわりと聞き取りやすかった単語だったのは、UNとかchocolateとか、2015とか、happiest countryとか、reportとかいうのが出たらそれをまたホワイトボードに書きます。

2.Q&Aに答える
All right, so this news is something about the UN report, the happiest country in 2015 and something to do with a chocolate . Right, now listen to this news again with a natural speed, but this time I have two questions to you.と言って、Q&Aを聴きます。次に聴くときは、ここを意識して聴いてもらえないかと。本文の下にListening Quizがあって、二つquestionがあります。 Right, question NO.1, who carried out this research? Who did this research? ここをちょっと聴いてみようかと言って、question NO.2, what kind of country is thought to be the happiest in 2015? とか聞いて、ここを聴いてみようと言いながらもう一度ナチュラルスピードで流します。ちょっとむずかしいんですけど。
聴いて答えが出ればいいんですけれども、早いとなかなかむずかしかったりするので、who carried out this research? Swiss bankers? A chocolate maker? The United Nations? Or information is not provided? どれかな?って聞いて、who thinks A, B, C? とか言って。

3.Scriptを見ながら単語と内容確認
OK, now let’s check the answers. と言いながら、ここで初めてNews around the World 24のスクリプトを配布します。それまで生徒は何についてのニュースなのかわからない状態です。Now, please listen to your partner, and let’s check the keywords. と言って、裏面に掲載されている、キーワードをチェックします。
Now please repeat after me and check the meanings. UN, 国際連合、UN, everybody, please UN have got , イギリスではよく、haveのことはhave got と言ったりするよとか言いながら、banker 銀行家、金融関係者、と発音を練習したりします。この単語はあとからまとめて単語テストに出したりもします。

4.Repeat after(ゆっくり)
単語がチェックできたところで、Now let’s read through the report. と言って、今度はちょっとゆっくりスピードのほうでリピートをしてもらいます。この音声も全部登録するともらえるので、それを再生すればパソコンプロジェクターがあれば大丈夫です。
Now please look at the handout, look at the paragraph、please repeat after the sound, ok? と言ってリピートしてもらいます。
むずかしいニュースの場合は2回ぐらいやったりもします。
そのあとで、Now let’s check the answers of the listening quiz. リスニングクイズの答え合わせをします。

5.Parallel reading(ゆっくり→ナチュラル)
そのあとにパラレルリーディング(オーバーラッピング)ですね、それをゆっくりからナチュラルでやっていきます。

6.Shadowing(ナチュラル)
Now, if it’s possible, if you think you can do, please do the shadowing.と言って、実際にはもうちょっと段階を踏むのですが、ナチュラルスピードでシャドーイングにトライしてみます。
生徒にとってシャドーイングは、実際にけっこう段階を踏まないとなかなかむずかしいです。じゃあ、最後にナチュラルスピードで流しますので、意味を頭に浮かべながらシャドーイングしてみましょうと言って、シャドウイングをします。OK, now let’s do the shadowing.
ナチュラルスピードは速いので、私もトレーニングをしないと、考えてしまいます。
内容について詳しく解説をするときもあります。もしくは、ballってなんだろう、what is a ball? と聞くとsoccer ball とかbaseballとか出てくるかもしれませんが、yes, that’s a ball too, but have you ever heard the word ball? What do you do in a ball? 実際、このボールはhave a ball 大いに楽しむという意味で、ダンスをする、ダンスパーティをするということからきているので、そんな表現も使えるなと思うと合わせて紹介したりもします。

7.同時和訳
(編集部注)当日は割愛いたしました。

8.内容のまとめWriting
What was the summary of this article? What was the news about? このニュースは何についてだったのかな? Please summarize this news with two or three sentences. 2文か3文ぐらいで英語にまとめてみようと言って、英語にまとめてもらいます。これは各自で書いてもらいます。

9.ペアでの意見交換 Speaking
Now let’s ask your friend, what did you think about this news? このニュースについてどう思ったかな、友達にちょっと聞いてみようと言って、スピーキングの時間を設けます。あんまり話がはずまないようなクラスだったら、先に「10.意見のまとめWriting」をやっていただいたほうがいいかもしれません。

10.意見のまとめWriting
Write your own opinion about this news. あなたはどう思ったか、いったん書いてまとめさせるとそのあとが話しやすくなるので、ちょっと考えをまとめさせます。自分の考えもなく言ってみたりして、I think if the expectancies of social support, freedom, generosity, are the reasons to be happy, I’m wondering why Japan couldn’t be the happiest country. Maybe it’s because Japanese people are not so confident ,とか言って、ニュースの中の表現を使ったり、私はこう思うんだけどみたいなことをティーチャートークみたいな形で紹介したりします。
最終的には生徒何人かに当てて、What did you think? What did your partner think? 友達はなんと考えたかな?と言って、何人かに発表させたりします。
けっこうシャイな生徒もいるので、先に書かせることでなんとなく何を言ったらいいのかわかるみたいなので、書かせるというのはいいのかなと思います。

●「教材の活用」
それから、教材の活用ですけれども、デジタル教材はすごく使います。最初はオリジナルでプリントを作っていたのですが、配信ができるようになってとても便利だと思います。CNNのニュースアーカイブは、登録しなくても見られますが、そこで動画を閲覧することもできます。

●「社会とのつながりを意識」
社会のつながりを意識するということですけれども、たとえば題材の中には中国が抱える問題という題材がありまして、実際にジェネシスというプログラムに応募して中国の高校生との交流の機会を持ちました。校内を4人1組のチームで回って学校内を案内します。日本人2人、中国の高校生2人です。そのルートやどうやって学校の説明をするかも、学校案内のパンフレットだけ渡して自分がこの学校の何を魅力に思うかを考えて、それを英語にして、ルートも考えて、どこを案内したいか、ただし時間は20分ねと言って考えさせて、いろいろ話をしながら校内を回ってもらったりしました。その交流を通して、日本人のイメージはどうか、どういうふうに日本のことを思っている?という話をしてもらったんですが、意外に彼らが思っていた中国人のイメージと実際に接した中国人のイメージが全然違ったらしくて、今まで失礼なイメージを持っていたなという生徒が多かったですね。
そのほかにも、いろいろな活動をしました。選んだ題材ですけれども、共学なので最初はとっつきやすい恋愛ものから入って、宝くじというところからだんだんディープなところに入っていきました。中国関係はこの二つを選びました。

●「発展的活動・・・CNNレポーターになり切り、世界のeco活動を調べ て英語でレポート(AL、協働)etc.」
さらに発展的な活動として、CNNレポーター、アンカーになりきってレポートする活動を、世界のエコアイデアについて学習したあとにやってみました。

インターネットを主に使いますので、図書館を使いました。それから、画像をipadで映しながら自分がインターネットで調べて紹介したい画像があったらURLをコピーしておいてねと言って、それをバックグラウンドにしながら発表をしてもらいました。
情報についてはインターネットを使う危険性の話もありましたが、たしかにそういう危険性はあると思います。情報教育に関しては、1年次、中高一貫校ですけれども、一年生のころからわりと徹底していて、図書館に行ったらまず漫画に走っちゃうというのが前に勤めていた学校だったんですが、そうじゃないんだということを国語科のほうでしっかりやっていただけるので、総合学習とかでwikiべディアとかって誰がどういうふうに作ってるか知ってる?とか言いながら、こういうのは論文には載っけられないよとか、そういうことを折に触れて言っています。

東大付属なのでそのTをとって、CNNをもじって勝手にTNNにしました。
CNNのリポーターになりきって、男の子二人がペットボトルで作った島がある、そこに住めるし、ペットボトルも無駄にならないし、いろいろエコなんだということを発表してくれました。クールビズについて発表した子もいましたし、女の子二人の発表では、全然原稿を見ないでリポーターをしてくれました。

『CNN ENGLISH EXPRESS』に「意見を述べるライティングコーナー」というのがありまして、そちらにエッセイを応募させていただきました。世の中の動きについて知って、何か思ったことを発信するという、社会に参加するというきっかけにしてほしいというのが願いです。ちょうど18歳になるころで選挙権にも関わるかなということで、そういう力を身につけてほしいと思いました。調べたのは主にインターネットや図書館でなんですが、冬休みの宿題にしてメールで提出してもらいました。翻訳ソフトは絶対に使うなということと、翻訳ソフトを使うとわかっちゃうよということを伝えました。ワードでやる利点というのもあって、スペルを間違えると赤い波線が出て、ここが間違っているよということがわかるので、その利点もあるなと思いました。
同僚の教員でクライテリオンというシステムを使っている人もいて、それだと間違えた箇所、文法的な間違いとか単語的な間違いを自動で瞬間的に指摘してくれるシステムがあるのですが、私はまだそこまでは使えていません。いろいろな便利なツールがあるなと思いました。
ちなみに「意見を述べるライティング」は、「日本はカジノを誘致すべきかどうか」という課題でした。それから東大の留学生を招いて、記事の題材に関するディスカッションをしました。写真の方はルーマニアの方ですが、Should Japan take in more refugees? 日本はもっと難民を受け入れるべきかどうか、これについてはかなりじっくりやりまして、何週かにわたって日本の現状と世界の現状、日本はいまどういう法整備になっているのかとか、いま世界は何が問題になっているのかということを段階的に調べて自分の考えを最終的にまとめて、自分の考えと他の人の意見を付箋にはって、誰々の考え、誰々の考えというようにいろんな人の意見を見て、最終的には自分はどう思ったのかと付箋を重ねていくことでディスカンションを可視化するような感じでやってみました。
その前に映画なども見せて、オーストラリアの「裸足で1500マイル」、Rabbit Proof Fenceという映画で、白人が入ってきたことでアボリジニーが白人化させられていく、アイデンティティの喪失の問題なども考えてもらって、もし日本にいたら日本人みたいにしたらいいと一概に思っちゃうことは危険かもしれないね、というようなことを学びながらやっていきました。

最終的に一年間で学んだことを形にしよう、形にしたいということで、メッセージビデオを作りました。準備の時間が全然とれなかったんですが、演出もアイデアも撮影も監督も編集もすべて生徒がやってくれまして、時間がない割にはけっこうよくやってくれたなーと。生徒のほうがスローモーションの仕方とか詳しかったりするので、一定の制限のもと好きにやっていいよと言うと、意外と生き生きとやったりするものなんだなーと思ったりもしました。私にはない技術でした。最初のメッセージも彼らが考えてくれました。

歌詞が書いてありまして、それぞれ自分の名前と歌詞が書いてあるやつを紹介しながら、最後はみんなで揺れながら終わるというものになっています。

●「教科書に足りないもの、CNNで補えるもの」
年度末に一年間を振り返るアンケートを行いまして、こういうところが魅力なのかなーと思ったところです。
操作されていない生の英語、教科書の付属のCDというのはどうしてもやっぱりきれいな英語で、使われている英語とはちょっと違ったりするんですね。また、時事的な単語であったり、BritishであったりCanadianだったり、さまざまなアクセントがあったり、音の実際のつながりや速さ、言い回しを繰り返し聴くことで「聴きとれた!」という自信にもつながるかなと思います。
また、社会とのつながりという点では、検定を通った教科書というのは本当によくできているなーと思うのですが、一定の時が経ているので、私にとって最も大事と思えるニュースの新しさと広さ、興味深さ、また外から見た日本というものいいのかなと。各種特集もよくて、ネイティブ表現、これも授業の中でいろいろ使いましたけれど、意見を応募できる機会なんかもいいなーと思いました。
ただ、けっこう活発にやってくれたんですが、私の授業だけではできなかったと本当に思うことは、中学一年のときから素地として彼らは培ってきたものがあって、全校的に協働学習に取り組んでいたり、意見を言ったり書いたり発表の機会が豊富にあったり、調べ学習で図書館の使い方、検索の仕方、先行研究の探し方とかということもやっていました。
また、総合学習による個々の生徒の興味関心の引き出しということもあったかなと思います。
生徒のコメントなんですが、たぶん私に気を使ってうれしいコメントだけを書いてくれました。ただ、いいと思ってたことがばかりではないだろうなーとは思います。
最後のアンケートを集計しましたが、英語のモチベーションは向上したか、CNNの題材は興味深かったか、学んだことは実際に社会でも使えそうかどうか、その他にもいっぱい項目はあったんですが、もちろん全員ではありませんが、概ねいい印象を持ってくれたようで、よかったなと思っています。

・英語を生かした楽しさがあり、この授業をとって本当によかった。
・毎回の授業がとても濃くて、自分の英語力がすごく伸びたと思います!
・毎回毎回上達してる気がしました!
・CNN記事で得た情報について意見を述べたり感想を書いたことでかなりwritingの力がついたと思います。
・今までで一番楽しくて一番ためになる英語の授業だった。
・5年生の中で、一番好きなクラスでした


●「効果測定」
ベネッセの模試の結果から、EE、Extensive Englishの選択群と非選択群で能力の伸張があったかどうかをいま集計中です。意外にリスニングのところには能力の伸張の差異が見られなくて、長文読解のところで選択群のほうが、能力というか結果が上がったという子が多かったことがちょっと興味深いと思いました。
今後はオンライン教材もどんどん充実してくると思います。念のためなんですが、私はCNNの回し者では全然ありません。ベタ褒めしちゃっていますが、自分自身が学習のために何年か前から使っていて、それを一番真剣に使っていたときが自分の英語の試験の結果が一番よかったので、あっ、効果があるんだなと。興味深さで続けられるところもあるんですが、非常によかったなと思っております。
今まさに必要だとされている英語の力というのが身につく教材なのではないかと思っています。

長くなってしまいましたが、以上が私の発表とさせていただきます。どうもありがとうございました。

※学校名など掲載内容はご講演当時のものです。



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